アメリカ校は、アメリカの大富豪、アーマンド・ハマーの教育事業の一環として1982年に設立されました。

アクセス

キャンパスはニューメキシコ州の北部、サンタ・フェからバスで2時間のところに位置しています。ロッキー山脈の最南端、そしてメキシコへ続く砂漠の最北端という、山脈と砂漠の間にあるキャンパスは大自然に囲まれています。

天候

一年を通して乾燥していて、気温の変化が激しいです。夏は滅多に雨が降らず、乾燥した暑さで過ごしやすいですが、冬は毎年20cm程雪が積もります。日本人にとっては嬉しいことに、学校のすぐ近くには温泉が湧いています。この温泉のためのホテルとして経営されていた城、モンテズマ城が現在学校の校舎として使われています。

12月に雪が降った際に、広い校庭を背景に撮った写真

アメリカ校の特徴的な選択科目

Environmental Systems and Societies(イーシステム)

この教科では社会と自然環境の関わりを学びます。自然に囲まれた校外に出て、実践的な授業を行うことも多々あります。また、この教科はSocial ScienceとしてもScienceとしても取得することが出来る教科です。

Computer Science(コンピューターサイエンス)

この科目ではプログラミング言語を学んだり、コンピューターの構造および集積回路の原理や仕組みを学んだりします。主にはJava Scriptを取り扱いますが、理論的にはC++やPhythonなど他の言語にも応用でき、ハードウェアについても授業内で非常に詳しく学べるようです。授業内容はIBのスタンダードレベルの範囲で展開されおり初心者向けの内容になっているので、CS分野に今まで興味があったけど学ぶ機会が無かった、という方にもおすすめです。

寮生活

施設

寮は男子寮3つ、女子寮3つの合計6つあります。城の中にある男女2つの寮には30人弱が暮らし、他の4つの寮にはそれぞれ約40人の生徒が暮らしています。各寮には、デイルーム(談話室)、コンピュータールーム、スタディルームがあります。また、各寮にはResident Tutorという生徒の面倒をみてくれる先生が一緒に住んでいて、何かある時には相談でき、頼れる親のような存在です。各寮の絆はとても強く、寮同士の対抗試合なども頻繁に開催されます。

ルームメイト

ルームメイトは1人か2人で必ず違う学年、違う大陸出身になるように構成されています。UWCの他の学校と比べると2人部屋があるのは珍しいようですが、お互いの信頼関係を築け、とても親しくなれます。

食事

平日は三食、週末はブランチと夕食が城の食堂で提供されます。主にメキシコ料理や典型的なアメリカ料理が提供されますが、宗教、健康上の理由に関わらず、食事ができるように配慮されています。また、デイルームには電子レンジとオーブンがあるので自分で料理をすることもできます。

Creativit Acricity Service (CAS)

アメリカ校でのCASは少し特殊で、CASに加えて学校内のボランティア活動を行うBasecampがある他、Activity(運動)はRegisteration formがなく、誰でもいつでも参加できるようになっていたり、不定期開催のProjectがあったり、特色に溢れています。

Creativity(文化的活動)

  • 新しい楽器を学べるContemporary music CAS
  • アメリカ校の特色とも言えるDance ensamble
  • アートに関わることのできるArt hub
  • 卒業アルバムを作るYearbook
  • 起業を学べるEntrepreneurship for Social Impact
  • 服飾などテキスタイル関連のSewing/repair
  • 半年かけて一つの劇を完成させるTheatre

上記の他にも多くの魅力的な活動があります。Creativity CASの特徴として今まで挑戦してきたことのない分野においてスキルを磨くことができ、筆者もアメリカに来て初めてチェロをContemporary Music CASで習いはじめました。生徒同士での教え合いも特徴的であり、Dance Ensambleではリーダーたちが考えた振り付けを直々に教えてもらえます。

Physical Activity(運動)

アメリカ校ではWildernessというバックパッキングトリップに参加することが卒業条件となっています。

Wilderness

この活動は設立当初から行われているUWC-USAの最大の特徴とも言える活動です。“Wilderness”とは、手つかずの自然という意味で、人の手の入っていない山の中でバックパッキングをしながら数日間過ごす、というものです。

卒業までに2回、この活動に参加することが義務とされています。一年の最初に参加する二泊三日のオリエンテーションキャンプに加えて、週末に開催される一泊二日のキャンプ、グランドキャニオンでの一週間のキャンプなど様々な機会が用意されています。Wildernessではメンバー間で協力していかなければ生きていけないので、新しい友達と仲良くなるとても良い機会になります。

Wildernessでの活動にフォーカスしたい生徒はWildernessリーダーという翌年の一年生のキャンプを率いる役職に申し込むこともできます。リーダーになった人たちは14日間というWildernessの中でも最長のエクスペディションに、他の生徒より何週間か早めに学校へ来て参加する必要があります。その道中では、地図の見方、バックカントリー(奥地)での料理の仕方、リーダーシップの訓練などを行い、非常に内容の濃い時間を過ごせます。 

Other Activities

  • Climbing
  • Football (Both for male-identified and non-male-identified)
  • Basketball
  • Volleyball
  • Tennis/Pickleball/Squash
  • Weight training

Climbingでは週に一度学校にあるClimbing wallを登るほか、One-day climbing tripとしてサンタフェのClimbing gymへ行ったり、実際にOutdoorで崖を登ったり、ほかではなかなか味わえなさそうな経験ができます。

どのActivitiesにおいても比較的新しい設備や道具が揃っているので負担なく挑戦することができ、さらに、今まで話したことのない人と話すチャンスでもあります。

グランド・キャニオンでの一枚
グランドキャニオン

Service(地域奉仕活動)

Community Service

  • 小学生にチェスを教えるChess CAS
  • 動物保護に関われるAnimal Shelter
  • 車で15分の距離にあるLas Vegasにて子供に哲学を教えるPhil 4 Kids
  • 地域住民との関わりを通じてSouthwestへの理解を深められるYouth allies

など、学校外の活動によって地域の人との交流を行うことができます。

Basecamp(校内奉仕活動)

  • キャンパス内にあるFarmで農業の手伝い
  • 学校内の食堂の手伝い
  • キャンパスのコンポスターから肥料を作る作業
  • UWC Dayなどのイベントの開催を手伝う奉仕活動
  • 同窓会の経営を手伝う奉仕活動
  • 自転車の整備をする奉仕活動
  • パフォーマンスのための音声、光の調整をする奉仕活動
  • パフォーマンスを校外へと配信する奉仕活動

このようにキャンパス内での活動を裏から支えることのできる活動によって、コミュニティを支え合っています。

行事

Cultural Showcase

これは世界の地域ごと(North America, Caribbean and Latin America, Europe, Africa, Middle East, and Asia)に、劇や歌、伝統ダンスなどを披露し、その地域の文化への理解を深めるショーです。本番に向けて、生徒たちは1ヶ月ほど毎日のようにスキットの練習をするのでショーはとても質の高いものになっています

Cafe

これは数ヶ月に一度、季節のイベント(クリスマス、バレンタイン、イースターなど)に合わせて行われる発表会のようなもので、誰でも参加できる気軽さが特徴です。私も友達とともにバンドを組んで、「上を向いて歩こう」を披露しました。他にも、詩を朗読したり、劇を披露したり、みんなの才能が輝く姿は見ているだけで盛り上がれます。

Yule Ball

アメリカ校の特徴、それはハリーポッターへの愛、、、!ということで、Kili, Denali, MB, Chum, Castleと5個ある寮がそれぞれハリーポッターに登場する4つの寮もしくはマグルに’組分け’られます。さながら映画の中のキャラクターのように’Not muggle, not muggle’ という心の声が聞こえてきそうです。さらに先生方の服もハリーポッター仕様になり、Professor と呼びたくなります。

Percentage Ball

その他にも、校内の性的マイノリティへの理解を深めるPercentage Ballというイベントなど盛りだくさんです。