カナダ校は1972年にノーベル平和賞受賞者で元カナダ首相のレスター B. ピアソン氏によって設立されました。カナダ校の生徒の大半は全額、もしくは部分奨学金を貰って通っています。これはピアソン氏の「子供達は人種、性別、貧富、国籍に関わらず平等に学問に取り組むべきだ。」という理念に基づいたものです。大自然に囲まれたキャンパスは全加盟校の中で 2 番目に長い歴史をもち、100 以上の国・地域から 200人の学生が集まる多様性豊かな学校です。

スピリチュアルセンター

アクセス

成田空港からバンクーバー空港までは国際線で約 9 時間かかります。そこから飛行機で 1 時間弱、フェリーで 2 時間ほどでビクトリアに着きます。ビクトリア空港からは車で 1 時間ほどでカナダ校に到着します。キャンパスからビクトリアまで週末に外出する際にはバスで1時間30分かかります。

気候

とても寒いイメージのあるカナダですが、地域によって気候が大きく異なります。カナダ校が位置するエリアは一年を通して気温が安定しており、冬は日本の東京とほとんど変わらないため、比較的過ごしやすいです。

特徴的な選択科目

Marine Science (海洋学)

キャンパスが海に面していることもあり、人気の授業の一つです。2年間を通して、海の生態系の仕組みや地球温暖化のメカニズムなど幅広い分野を学びます。座学だけでなく、恵まれた立地を活かして実際に海に出て海洋生物を観察したりと実践的な授業もたくさんあります。

調査に向かう船の中
調査に向かう船の中

Theatre (演劇)

この授業では文字通り演劇について学びます。1年に一度、一年生による演劇会と二
年生による演劇会があります。基本的に生徒達はこれに向けて演劇のいろはを学ん
だり、照明・音響の構成を考えたりします。二年生の演劇ともなると、プロ顔負けの演
技力を発揮し、レベルの高い芝居が披露されます。

寮生活

施設

ハウスと呼ばれる寮は5つあります。先住民族の Sc’ianew (BeecherBay) First Nation の言語で全てのハウスに名前が付けられています(QOL ̧EW̱ ŦÁ ̧WEN SȾOK.I ̧ HENEN ̧ ŦEḴI ̧ )。 各部屋は4、5人の生徒から成っており、女子部屋、男子部屋、ジェンダーニュートラル部屋が全ハウスに存在します。各ハウスにハウスペアレンツといわれる方が在中して、様々な面倒を見てくれます。彼らは生徒にとってとても距離が近い関係なので悩み事等は気軽に相談できます。

ルームメイト

各部屋の生徒の構成はなるべく多様性が保たれるよう工夫されており、違なる国、大陸、言語の生徒で構成されるようになっています。

Dayroom(各ハウスにある共用スペース)

食事

食事は三食とも、食堂で提供されます。時間は朝は7時〜8時半、昼は12時〜13時半、夜は17時30分〜19時となっています。生徒運営の売店でスナックなどの食べ物を買うこともできます。また三食の他にも、クッキーブレークと呼ばれるおやつの時間があり、マフィンやクッキー、フルーツなどを食べる事が出来ます。コーンフレーク、ミルク、バナナ、りんご、オレンジは常備されているので好きな時間にカフェテリアにて腹ごしらえも可能です。

食堂の様子
食堂の様子

CAS

CAS とは IB プログラムの一部で日本の部活動にあたるものです。CAS はCreative, Action, Service の頭文字で、全てのアクティビティがこの三種類に分けられます。生徒は一年に二つアクティビティを選択し、二年間で三つのセクション全てを網羅しなければいけません。

Creativity

カナダ校では、陶芸、ウクライナダンス、ヨガなどがあり、個々の独自性や発想力を自由に発揮できます。陶芸ではろくろや竈など本格的な設備を使い技術を身につけることができます。またUWC の中でも珍しく展望台を所有していることからアストロノミーも人気です。

ウクライナダンスコンサートの際の集合写真

Action

カナダ校は大自然に囲まれた特色を活かしカヤック、セーリング、ダイビング、ハイキング、カヌーなど様々なアウトドアスポーツを楽しむ事が出来ます。運がいいとアシカやシャチ、鯨などに会え、筆者にとっても忘れ難い思い出の一つとなっています。

Service

Service活動では、様々なボランティアの選択肢の中から1つを選んで1年間活動します。近くの街のコミュニティの手伝いをしたり、キャンパス内の壊れた建物の修繕を行ったり、近くの海でゴミ拾いを行ったりします。

行事

カナダ校は先住民族の方々が守り継いできた地域に拠点を置いているため、その土地への尊敬を込めて、 Land acknowledgement のイベントがどの行事でも必ず行われます。

Regional Day

この行事では、世界をいくつかの地域に分け、その地域ごとの文化を紹介します。生徒達によって様々なワークショップが催され、その地域の食事を生徒自身が作り、学校全体に振舞います。また、夜には、文化共有を目的としたショーが開かれ、その地域特有のダンスや歌などが披露されます。その地域に属していない生徒も共に伝統のダンスや音楽を練習し、成果を披露します。世界の多様な文化のよさを存分に味わえる UWC らしいイベントです。

Special Topics Day

これは一年に一回行われる行事で、この日には授業が無く決められたトピックについ
て一日中ワークショップやディスカッションなどを行います。トピックの例としては、
Sustainability(環境問題等が深刻化する中でどうやって地球環境を保全するか)、Global Citizenship(世界の各所で起こる様々な問題に対して私たちはどう反応し行動するべきか)、Gender(男女だけの性別だけでなく、あらゆる性的思考を含めた性別という考え方に対してどう向き合うか)といったものがあります。

Global Affairs & Village Gathering

この二つの行事は毎週木曜日の放課後に交互に行われます。Global Affairs では毎回一つの国際問題についてゲストスピーカーを招きプレゼンテーションを行ってもらい、その後ディスカッションをします。Village Meeting では全生徒、全教員があつまりキャンパス全体への連絡事項を伝えたり、キャンパス内の問題について議論したりします。

Core

この授業は毎週木曜日の二限目に講堂に集まり自分とは何か、どうバランスをとりな
がら UWC を満喫したら良いのかなど自分の心との対話を行う時間です。その後二年
間割り当てられるアドバイザーと共に一週間を振り返り、どういう困難に直面している
のか、どう助けが必要なのか、またどんな素敵なことがあったのかシェアをし、自分の
心のケアも行います。