イタリア校(アドリアティック・カレッジ)は1982年に最初の非英語圏におけるUWC校として設立されました。

イタリア校最大の特色は、オープンキャンパスと呼ばれる、村の中に校舎や実験室、寮などのカレッジの建物が点在していることです。村全体がキャンパスなので、とても開放的な学校となっています。民家や小学校を通りながら授業に向かうのは、イタリア校ならではの光景です。村の中にはドゥイーノ城という美しいお城もあり、生徒は無料で出入りすることが可能です。

村は、美しいアドリア海に面しており、夏には多くの生徒が徒歩5分の海で泳ぐ姿が見られます。また、Carso(カルソ)と呼ばれる徒歩5分で入ることができる山や、詩人リルケが歩いたとされる遊歩道など、自然に囲まれた美しい場所となっています。

第二次世界大戦までオーストリアの統治下であったことや、スロベニアの国境が徒歩圏内にあることもあり、ヨーロッパの様々な文化を感じることもできます。

アクセス

トリエステ空港が最も近く、校舎からバスと電車を使い1時間ほどでアクセスができますが、他にも、フランクフルト空港・ベネチア空港(マルコ・ポーロ空港)を使う生徒もいます。

気候

気候は日本と同じ温暖湿潤気候であるため、気候の違いに戸惑うこともそれほどありません。夏は、日差しが強いですが湿気が少ないため、日本よりは過ごしやすいです。

春と秋は、とても過ごしやすい美しい天気が多いのですが、たまに強い雨が降ることがあります。
しかし、冬には、ボラというアルプスから吹く冷たく湿った強風に苦しめられます。歩けなくなるほどの強い風と格闘しながら村の中を歩く日もありますが、それを除いては年中おおむね穏やかな気候です。

利便性

モンファルコネという駅のある小さな街まで15分。トリエステという大きな都市までバスで30分で行くことができます。雑貨や生活用品、洋服まで、トリエステでほぼ全てを買うことができます。中華・インド料理・寿司・イタリアンなど、なんでも食べられます

特徴的な選択科目

World Arts and Cultures

この授業はイタリア校で生まれたオリジナルの科目で、芸術や建築物などといったアートの観点から世界中の文化について学びます。江戸時代の版画やアフリカの美術、イタリア国内の芸術など、様々な文化への理解を深めます。イタリア校ならではの立地を生かしたフィールドトリップも充実しています。

寮生活

施設

学校全体で約200名の学生が所属しており、6つの寮があります。寮の規模は様々で、14人から成るこぢんまりした寮から40名を超える生徒が一緒に暮らす大きな寮まで、とてもバラエティに富んでいます。どの寮もドゥイノ村の中にあるため、生徒はお互いのレジデンスを簡単に訪れることができます。

ルームメイト
上記のように寮の規模は様々であるため、部屋の人数も一人部屋から四人部屋まで、大きく異なっています。二年目になると、親しくなった友人をルームメイトとして選ぶことができます。

食事

朝食・昼食・夕食はMensaと呼ばれる食堂でとります。イタリア校の食事はパスタやリゾットなどイタリアの食文化を反映したものからベジタリアン向けの野菜中心のものまで様々な種類があり、どれを選ぶこともできます。

ドゥイノ村やその付近に点在する様々なレストランやピザ屋さん、バールと呼ばれる喫茶店などで食事をすることもできます。

また、授業の間の20分間の休憩では、校舎の近くのピザ屋で小さいピザを買ったり、校舎の中に常備されているフルーツを食べたりします。

CAS

Creativity (文化的活動)

イタリア校には様々な選択肢がありますが、中でも音楽関係のアクティビティが充実しています。独唱、ギター、ピアノ、バイオリンなど、様々な楽器に対してマンツーマンレッスンが提供されています。

Activity (運動)

海に面したイタリア校の特徴を生かして、カヤックやセーリングを行うことができます。また、冬になると、近くの山に行き毎週スキーをすることもできます。

Social service(社会奉仕活動)

村の中にカレッジがあるという立地を生かして、障がいのある地域の方との交流や、ドゥイノ村の人々に向けた英語教室など、地域住民の方と密接に関わるものが多くあります。

行事

行事の多さもイタリア校の特徴のひとつです。年間を通して様々なイベントがあり、生徒たちは一年中大忙しです。

カレッジ最大のイベントとして、一週間にわたって世界の特定の地域を紹介するCultural Weekと呼ばれるものがあります。その地域出身の生徒が伝統料理をふるまったり、プレゼンテーションを行ったり、ダンスや歌などのショーを催したりして出身地域の文化を紹介します。

また、年に3回、学年全員でダンスや歌などのパフォーマンスを披露するショーを作り上げ、学校全体がとても盛り上がります。特に、毎年9月に行われるPeace One Dayというイベントの最後を飾るショーでは、それぞれの国の伝統的な踊り・歌を披露するため本当に圧巻です。

一年に一度、Project Weekと呼ばれるグループで一週間どこかに行き社会奉仕活動を行うイベントがあるのですが、活動の決定・外部の団体への連絡・宿泊などの事務等まで全て生徒で行うため、とても濃い一週間になります。ウィーン、スロベニア、クロアチア、ハンガリー、フランスなど近隣の国に出かけて活動を行う生徒も多く、とても思い出に残る経験になります。

毎月オープンマイクという生徒の主催する夜のコンサートがあり、生徒はグループや個人で自由に奏者として参加することができます。

また、学校が企画するCultural Tripでは、バスを貸し切ってベネチアやパドヴァ、ベローナなどに日帰り旅行をすることができ、とても楽しい思い出の一つになっています。